今回は、4月に再任された病院事業管理者にこれまでの病院再建の取り組みについて質問したほか、類似団体や近隣市と比較した財政の特徴ついて質問しました。
- 市立病院の経営再建について?
(1) 病院事業管理者の任期1期目の4年間の取り組みは?
岡:昨年後半から明らかに経営状況が改善してきたが、これまでの4年間の取り組みの総括は?
病院事業管理者:病院事業管理者として就任以来、「元気が出る組織づくり」合言葉として組織風土・組織運営の刷新、各医育大学との連携強化を含む医師確保対策、診療体制の強化と専門センターの設置という主に3点の取り組みを進めてきた。
今後、公立病院としての政策医療を提供は当然の責務として、市立病院でなければ成しえない、高度のデジタル技術と究極のアナログ技術のハイブリッド医療である「高度先進地域医療」を実現すべく、更なる診療体制の充実に取り組んでいく。
様々な経営改善策がなかなか成果に結びつかないことは、全国自治体病院の共通した症候であり、多くの自治体病院で赤字が増大し、やむなく閉院となる施設もある。
そのような中、赤字幅が順調に縮減され経営改善が見える形になっている点で、江別はむしろ稀なケースであり全職員が一丸となって成し遂げた成果である。
(2) 市立病院が求める医師とは?
岡:過去の経営評価委員会で医師の数だけを求める時代は終わったという趣旨の発言をされているが、どのような意図があるのか?
病院事業管理者:医師確保は、安定した医療提供体制の維持と経営改善における最重要課題であるが、医師免許を持つ医師が必ずしも医師として優れた資質を有していると言えないことは、残念ながら認めざるを得ない事実でもある。
多職種連携によるチーム医療を進め「断らない医療」を実践するには、積極的に意思疎通を図り、他を思いやり、尊重し、協調できる医師が求められる。医師としての技量が優れていることは、安心・安全な医療に不可欠であるが、資質に優れた医師は、医師同士や多職種間のコミュニケーションを活性化することができ、チーム医療を充実させてくれる。
数は大切だが、医師としての資質は、より重視されるべきものであり、医師の資質を見極めた採用を行っていく。
(3) 経営危機に陥った場合の市の方針について?
岡:自治体病院が経営危機に陥った場合の市としての基本的な方針をどのように考えるか?
市長:自治体病院の経営危機に際して、一時的に財政支援を行い、地域医療提供体制を維持
することは行政としての重要な責務であると考えている。
一方で、行政サービス全般への影響も考慮すると、一般会計からの財政支援には限界があるという危機感を持っている。
今後、改めて市立病院への支援が必要となった場合には、地域医療提供体制確保のために、支援を検討するとともに、必要に応じて、地域医療連携推進法人を含めた他の医療機関等との役割分担や連携などについて検討する必要があると考えている。
- 類似団体や近隣市と比較して市の財政の特徴は?
(1) 類似団体と比較した市の歳入の特徴は?
岡:人口や産業構造が似ている類似団体と比較した市の歳入の特徴は?
総務部長:住民1人当たりでみた歳入の特徴について、類似団体とは、総務省が人口規模と産業構造の組み合わせによって分類している市町村類型において、同じグループに属する自治体のことであり、都市では16区分に分類され、面積や気候などの違いは考慮されていない。
江別市は、人口規模が10万人以上15万人未満で、第二次・第三次産業の割合が90%以上、かつ、第三次産業の割合が65%以上となる類型区分に該当している。
これらの類似団体と比較した歳入の特徴について、令和6年度の決算における人口1人当たりで比較しますと、歳入総額に大きな差はなく、ともに50万円ほどである。市税は、類似団体平均より約5万円少なく、地方交付税は、類似団体平均より約5万円多くなっている状況であり、「市税が少なく、交付税が多い」といった特徴から、当市は、他の類似団体と比較して、交付税への依存度が高い状況にあると認識している。
(2) 類似団体と比較した市の歳出の特徴は?
岡:類似団体と比較した市の歳出の特徴は?
総務部長:令和6年度決算における人口1人当たりの総額で比較しますと、歳入と同様に、類似団体平
均との間に大きな差はなく、約50万円となっている。
その内訳を目的別で比較すると、衛生費や土木費は、類似団体平均を上回っている一方で、総務費や民生費、教育費は、類似団体平均を下回っている。また、性質別で比較すると、維持補修費や貸付金は、類似団体平均を上回っている一方で、人件費や補助費、積立金は、類似団体平均を下回っている。
これらの主な要因は、目的別では、衛生費におけるごみ処理施設延命化工事や病院事業会計への繰出金による影響があげられ、土木費や性質別の維持補修費では、除排雪経費などが影響しているものと認識している。
(3) 近隣市との比較では?
岡:石狩管内の近隣市と比較した場合の特徴は?
総務部長:札幌市を除く石狩管内他市平均を令和6年度の決算における人口1人当たりで比較すると、江別市の歳入総額は、管内他市平均を下回っている。
これは、本市の人口が、札幌市を除く管内の市で、最も多い一方で、市内の事業所規模が比較的小さいことから、人口1人あたりで算出すると、法人市民税や法人に対する固定資産税が小さくなっているものと認識している。
類似団体との比較では、人口や産業類型の割合が同じ区分での比較となるため、大きな差異がない結果となる一方で、近隣市との比較では、人口や事業所規模が異なる条件での比較となるため、一定程度の差異が生じるものと認識している。
本市には、大きな企業の立地が少ない都市としての特性と、札幌市に近接する立地環境や近年では子育て世代をターゲットとした取組により年少人口が転入超過となるなど、住みやすい都市として選ばれている特性があるものと認識しております。