3/7から3/17にかけて令和7年度予算を審査する予算決算常任委員会が開かれました。
R7年度の予算総額は588億円となり、R6年度当初予算から62億円の増加となりました。社会保障費の増加、物価高騰・労務単価の上昇などにより、当初予算としては5年連続で過去最大となっています。財源不足を補うために、過去最大となる11.7億円の財政調整基金を取り崩すこととなっており、今後の財政状況は非常に厳しくなっていくと認識されています。
〇除排雪
R7年度当初予算は、労務単価の上昇などで当初予算としては過去最大の18.5億円となっています。
事業者の負担軽減のため、事業者所有の除雪車を減らし、事業者に貸し出す市所有除雪車を増やすため、除雪ドーザ・除雪グレーダ・ロータリ除雪車をそれぞれ1台購入します。
〇外国人技能実習生等への日本語教育に関するニーズ調査
市内在住の外国人技能実習生・特定技能外国人は15社程度に410名ほど採用されており、日本語教室開催に関する補助が行われていますが、更なる日本語教育に関するニーズ調査が実施されます。
〇未利用地活用推進
昨年、企業誘致のため5000平方メートル以上の活用されていない市内の未利用地の調査を行い、6ヵ所の候補地が見つかりました。そのうちの1ヵ所に絞り利活用について検討を行います。
〇旧岡田倉庫
移転工事が進められてる旧岡田倉庫はR7年から20年間アトリエ・キバコ社に無償貸与され、R8年度に新規オープン予定です。飲食店・レンタルスペースなどの利用について旧岡田住宅と合わせた利用が提案されていることから、R7-R8年度に旧岡田住宅についても解体移転工事が行われます。
〇高齢者予防接種
法律に基づいて行われる65歳以上の高齢者についての予防接種は、インフルエンザ・新型コロナ・肺炎球菌のワクチンについて実施されていましたが、R7年度から帯状疱疹ワクチンが追加されます。
〇介護人材確保定着支援
介護人材の確保のために、有資格者を正規職員として無期雇用した介護事業者に1人10万円の雇用奨励金を交付します。
〇福祉除雪サービス
70歳以上の高齢者世帯に対して、道路除雪後の置き雪を除雪する事業ですが、高齢者の増加による利用者の増加と事業者の人手不足により、今後の事業の継続が危ぶまれることから、対象世帯を非課税世帯に限り、対象年齢についても順次75歳まで引き上げていく方針です。
〇就労相談窓口の一元化
就職相談などが無料で受けられる「まちなか仕事プラザ」、障がいのある方の就職活動の相談・支援を行っている「障がい者しごと相談室すてら」、生活困窮者の就労準備支援を行って入り「しぼとサポートセンターコクリ」を一カ所に集約化し、年齢や障がいの有無に関わらず多様な相談に対応できる体制がつくられます。
「まちなか仕事プラザ」が入っているイオンタウン江別2階に集約され、生活困窮者への相談業務を担っている「くらしサポートセンター」からも相談員が派遣されます。
〇子どもの居場所づくり支援
子ども食堂を定期的に開催・運営する団体に補助を行います。
今後、子ども食堂以外の居場所づくりを行っている団体へ対象を拡大していくことも検討されます。
〇小中学校タブレット更新
R2-4年度に導入した集中学校の児童生徒が利用するタブレット端末をR7-10で更新します。
今後も5年程度を目途に更新が必要と考えられています。
〇スクールソーシャルワーカー
児童生徒や保護者に対して福祉分野の専門的な知識や経験を生かして支援を行うスクールソーシャルワーカーについて、R7年度からは4名体制の配置となります。
〇基幹システム標準化
R7年度末で自治体の20の基幹業務についてシステムの標準化が求められていますが、市が現在利用しているシステムはほぼ標準化されているものなので、大きな業務の見直しや改修を行わずにR7年度中に移行が完了できる見込みです。
〇シティプロモート
市にゆかりのある、まちづくりアドバイザーを登用し、市の情報発信に対する助言を受けます。また、新たにTV番組・PR動画・ラジオ広報番組の制作が行われます。
〇庁舎建て替え
本庁舎建て替えに向け、実施設計を行います。
最も順調に進んだ場合、R7実施設計、R8-10建設・システム工事、R10供用開始となります。
〇市立病院事業会計への繰出金
R7年度予算での市立病院への繰出金は17.2億円となっています。
R514.7億円、R6見込16.1億円と収支不足への補填のため、市立病院への繰出金も過去最大となります。
○職員体制
上下水道・病院を除いた一般会計部門のR7年度の正職員数は762人(R6年度より+4人)、会計年度任用職員は663名(R6年度より+6人)となります。
○税収見込み
個人市民税や固定資産税の増加により、133.8億円、R6予算比5.8%増となると見込まれています。
国からくる地方交付税は128億円、R6予算比4.3%増、地方の財源不足に対応するための赤字地方債である臨時財政対策債はH13年度の制度創設以降初めてゼロとなっています。
財源の使途が特定されず自由に使える収入と言われている一般財源総額は、303億円と当初予算としては過去最高となります。
○財政調整基金
市の貯金にあたる財政調整基金は、R4年度末31.7億円、R5年度末32.3億円、R6年度末見込36.6億円と残高を増やしていましたが、R7年度予算では11.7億円の過去最大の取り崩しを予定しており、このままではR8年度予算編成ができない状況も考えられるなど、今後の財政状況は非常に厳しいものとなっています。